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第5次男女共同参画基本計画策定で思うこと

・内閣府「第5次男女共同参画基本計画」改定に当り、関係府省・有識者からのヒアリングやパブリックコメントが始まりました。素案は、以下より確認ができます。

http://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/5th/sidai/5th-6-s.html

・日本BPW連合会(加盟するBPW Internationalは、国連経済社会理事会諮問機関として一般勧告権を持つNGO)主催勉強会にて、「経済産業省認定 経営革新等支援機関」業務に携わる中で2点提案。
①「第5分野 女性に対するあらゆる暴力の根絶」
―骨子案で、最も多く紙面が割かれている分野です。
・この中のハラスメント防止対策として、経産省の補助金「審査の加点」の1つとして、申請事業者の管理職以上にハラスメント研修を受講することで啓蒙活動を広められると思われます。
・例えば「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」。大雑把にいうと「中小企業が働き方改革等の制度変更に対応するため、中小企業が取り組む革新的サービス開発等を行う設備投資等を行うための設備投資を支援する」補助金で、付加価値額と賃上げ要件が申請要件になっています。
・企業の99.7%を占める中小企業では、ハラスメントの意識がまだまだ遅れています。
・研修受講により、雇用される従業員と共に、増加する女性士業、起業家、個人事業主等に対するハラスメントを防ぐ狙いがあります。
・ハラスメントは生産性に影響するため、「中小企業・個人事業主の育成及び発展とその経営を向上させる任務」を担う経産省の関与も必要と思われます。
②第8分野 防災・復興における男女共同参画の推進
―基本認識(骨子案より)
〇災害は、地震、津波、風水害等の自然現象(自然要因)とそれを受け止める側の社会 の在り方(社会要因)により、その被害の大きさが決まってくると考えられている。被 害を小さくするためには、社会要因による災害時の困難を最小限にする取組が重要である。
(中略)
〇 大規模災害の発生は、全ての人の生活を脅かすが、(中略)人口の半分は女性で あり、女性と男性が災害から受ける影響の違いなどに十分に配慮された男女共同参画 の視点からの災害対応が行われることが、防災・減災、災害に強い社会の実現にとって必須である。
・上記を受けて提案したいことは、「事業継続力強化計画」についてです。これは、国が中小企業等経営強化法に基づき、中小企業の「自然災害等による事業活動への影響を軽減することを目指し、事業活動継続に向けた取組計画」を承認するものです。「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の審査加点の1つにもなっています。
・この中小企業が策定する「事業継続力強化計画」策定に当たり、本計画の次回改正の2023年において、計画の推進や被災時のリーダーに、男女の視点を入れることが必要なため、それぞれの任命を推奨することを手引書に追加することで、社内、顧客、関係先への対応を効果的にできるのではないかと期待できます。
◆上記記載分野勉強会関係担当者:名取はにわ元内閣府男女共同参画局長/BPW連合会理事長・女性初国際ジャーナリスト平松昌子/布柴靖枝文教大学人間科学部臨床心理学科教授。第 71 回・第 72 回国連総会第三委員会政府代表顧問/林智意一般社団法人MIT代表理事他。