資金調達をご支援している軽貨物運送業のZ社は、上場を目指して急成長していますが、1か月の充実した研修のもと、自分の都合の良い時間に、都合の良い場所で働ける個人と特定業務について代理店契約を結ぶことで、シングルマザーや育児中の女性や障碍者、定年退所者でも、成果に応じて報酬が得られる体制を整えました。これによりSDGs「5.ジェンダー平等を実現しよう」に貢献しさらに、➡「10.人や国の不平等をなくそう」➡「1.貧困をなくそう」➡「8.働き甲斐も経済成長も」とドミノ倒しのごとく連鎖的にSDGs達成に貢献することになります。 11月30日開催された、BPW INTERNATIONAL*東アジア地域会議で田勢和夫氏の基調講演でSDGsの本質を伺いました。SDGsのカラフルな17の目標であるアイコンを、ポチッ、ポチッ、とドットとして各企業の事業活動を紐づける・・・それがSDGsのGoalなのか、かねがね疑問でしたが、その回答を得た気がします。 SDGsは、いわば、近江商人の三方良しの(1) 売り手よし、(2) 買い手よし、(3) 世間よしに、現代グローバル化の中で、さらに次の3視点を加えたもの。サプライチェーン上の関係者である(4)モノやサービスの作り手よし。そして、自然環境保護のために(5)地球よし、そして子供たち・次世代の未来軸も加えた(6)未来よしの六方よし、と考えるとわかりやすい。 そして、SDGsの実現には、「男女を問わず一人ひとりが自分らしくいられる組織」であることが前提となります。働き方改革において労働時間削減を目標とすることが多いですが、その必要性の背景が具体的に見えていない限り、組織のマネジメントは難しく、ヒトは他社へ流れて行ってしまうでしょう。男性が家庭で女性と共通の責任を果たすプライベートな仕事=「私事(しごと)」や育児から幸福な時間を過ごしたいという要望を汲み取った施策をとる企業はまだ少ないようです。労働時間短縮に主眼をおいて、自分らしさをすっ飛ばしてしまうと、単なるヒトのマシン化の推進にすぎなくなります。 自分らしさは「Well-being(幸福)」-善く生きることの追求。弊所の支援理念に通じるところです。それには、複数選択肢から自分で選べる自由「Freedom」があることが前提だと。そのような組織は労働生産性も高まる可能性があるでしょう。 *INTERNATIONAL FEDERATION OF BUSINESS AND PROFESSIONAL WOMAN https://www.bpw-international.org/